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前田日記(写真集)
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幸せの原点
野球に関する話ではないのだが、感動するニュースを見た。

その前に皆様は、自分が生まれたときの体重を覚えていますか?
私は、ちょうど3000グラムでした。

また、娘が生まれるときに出産に立ち会った。
生まれてきた瞬間から産声を聞くまでに3秒ほどの時間があったと思うが、
私にとってその時間が、とても長く...というか時間が止まり
『1分は60秒』という定義が全く無視された時間だった。
そんなことを思い出しながら、このようなニュースを見た。

イギリス(ロンドン)の病院で、ある日、女の赤ちゃんが生まれた。
しかし、産声は聞かれなかった。
早産だったため体重は、わずかに770グラムしかなかった。
医師たちが母親に告げた言葉は
「赤ちゃんの命は、あと20分持つかどうか...」
「さようならを言ってあげてください...」
そう言って医師たちが母親に赤ちゃんを手渡した。

この世に生を受けたばかりなのに
残り20分の命と宣告された赤ちゃんを抱きしめた瞬間、
我が子を愛おしく思う気持ちが母親の中に溢れだしてきた。

すると、それまで呼吸をしていなかった赤ちゃんが
息を吸おうと苦しげに喘ぎ始めた。
それに気づいた母親は、赤ちゃんをくるんでいた毛布をはがし、
自分の胸を肌蹴て自分の肌と我が子の肌を直接触れ合わせた。

それは、母と子の最初で最後のスキンシップになるかと思われた。
だが、このスキンシップは、
医師たちが予想もしていなかった奇跡を起こすこととなる。


赤ちゃんが産声を上げ始めたのだ。
母親と付き添った父親の心に希望の光が灯った瞬間だった。
とはいえ、妊娠24週目で産声を上げずに生まれてきた赤ちゃんである。
医師たちは、赤ちゃんが産声を上げてから1時間が経過しても
確信をまだ持てなかったが、
赤ちゃんに人工呼吸器を取り付けて様子を見ることにした。

赤ちゃんの名は、レイチェルと名づけられ、その後順調に育ち、
やがて呼吸器も不要となった。
生後17週間の現在では体重が2700グラムを超えており、
今後は定期的に医師の診察を受ける必要があるものの、
既に退院を済ませている。

母親は言う。
「生まれた娘をすぐに抱きしめたこと、肌と肌を直接触れ合わせたからこそ、彼女は助かった」

レイチェルちゃんのケアを担当した医師によれば、
「生まれた直後のレイチェルちゃんの“バイタル・サイン”は生存できるとは考えらないほど弱かった。でも、レイチェルちゃんは見事にそれを乗り越えました。そもそも24週目で生まれた未熟児が無事に生存できる見込みは、かなり低いのです。私自身、レイチェルちゃんの容態が改善したことに衝撃を受けました。お母さんがレイチェルちゃんを抱きしめたことが非常に大きな影響をもたらしたのだと思います。そして、お母さんの肌の温もりもまた非常に大きな影響を与えたに違いありません」

親子に限らず人間同士にとって、
抱きしめ会うこと、肌と肌を触れ合わせること、
この全てに心を通わせ合うことが、最も大切な、
そして幸せの原点なのだと思う。

・・・前田 隆
by maeda_takashi | 2007-09-23 15:02 | 【番外編】