前田日記(写真集)
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手紙
祥月命日

榊原康造様とは、
私の尊敬する人物であり、目標としている方である。
一年前の今日、午前5時37分、天国へと旅立った。

知り合った瞬間にオーラを感じた唯一の人物である。
株式会社ヤナセの常務取締役をされていて、
私が財界をはじめ芸能界や球界、角界の方々と知り合うことができたのも
榊原さんの御蔭である。
常に私に対し厳しく接してくれて、
その中には必ず優しさが滲み出ていた。

飛行機での移動が多く、何度も機内ハガキに手紙を書いて送ってくれた。
手紙を読むとき、私はその途中で目を閉じて
手紙を書いてくれている姿を想像しながら読むようにしている。
そうすることで、より深く心に刻まれるからだ。
今まで沢山の方から受け取った手紙は私の大切な宝となっている。

榊原さんが入院して初めて神戸に行った時、
御見舞の花の多さに驚いた。
個室の部屋でも置ききれず、廊下まで花の道が続いている。
榊原さんの人柄、そして慕われてきたことの表れだった。

最後に会った日は、穴が開いた喉に器具が装着されてあった。
以前も、この日記に書いたとおり、筆談で会話をする姿で胸が苦しくなった。
別れ際、
「ありがとう、ありがとう、ありがとう・・・」と
何度も何度も手を合わせて心の言葉で言ってくれた。
私は、
『また会いに来ます!楽しみに待っていてください』

もう会えないかもしれない...
榊原さんもそう思っていたのだと思う。
私は、お礼と感謝の気持ちを伝えたかった。

エレベーターを降り、
『戻って気持ちを伝えよう』と何度も足を止めた。
でも、
戻ってしまうと...
伝えてしまうと...
本当に今日が最後のような気がして戻ることができなかった。

数週間後、形見分けに同封されていた最後の手紙には、

「良き想い出に...」
「有難とう...」

と書かれてあった。

今までも、これからも私の心の支えである。
将来、私も榊原さんのように慕われて尊敬される人間になりたいと思う。


少し別の話になるが、
数か月前から話題になっている詩(曲)がある。
それは、“認知症の歌”、“介護の歌”と呼ばれる一曲で、
静かな共感の輪を広げている。

高齢の親から語りかける“手紙~親愛なる子供たちへ~”と題した詩で、
老いの現実を見つめ、親子の絆を考えさせる曲である。
歌うのは、樋口了一という、シンガー・ソングライターだ。

現在、日本には寝たきり、痴呆、虚弱などのため介護の必要な高齢者が
約200万人もいるといわれ、日本社会の高齢化が急速に進む中、
この数は15年後に、520万人にもなるといわれている。
そうした中、介護に行き詰まり命を絶つ人も多いという。
近い将来、私にも起こりうることとして考えなくてはならない。


勇気付けてくれる詩...

幸せを思い出させてくれる詩...

今、大切にしたいと思わせる詩...


“ 手紙~親愛なる子供たちへ~ “

年老いた私がある日 今までの私と違っていたとしても
どうかそのままの私のことを理解して欲しい
私が服の上に食べ物をこぼしても 靴ひもを結び忘れても
あなたに色んなことを教えたように見守って欲しい
あなたと話す時 同じ話を何度も何度も繰り返しても
その結末をどうかさえぎらずにうなずいて欲しい
あなたにせがまれて繰り返し読んだ絵本のあたたかな結末は
いつも同じでも私の心を平和にしてくれた

悲しい事ではないんだ 消え去ってゆくように
見える私の心へと 励ましのまなざしを向けて欲しい

楽しいひと時に 私が思わず下着を濡らしてしまったり
お風呂に入るのをいやがるときには思い出して欲しい
あなたを追い回し 何度も着替えさせたり 様々な理由をつけて
いやがるあなたとお風呂に入った 懐かしい日のことを

悲しい事ではないんだ 旅立ちの前の
準備をしている私に 祝福の祈りを捧げて欲しい

いずれ歯も弱り 飲み込む事さえ出来なくなるかも知れない
足も衰えて立ち上がる事すら出来なくなったなら
あなたがか弱い足で立ち上がろうと私に助けを求めたように
よろめく私にどうかあなたの手を握らせて欲しい
私の姿を見て悲しんだり 自分が無力だと思わないで欲しい
あなたを抱きしめる力がないのを知るのはつらい事だけど
私を理解して 支えてくれる心だけを持っていて欲しい
きっとそれだけでそれだけで私には勇気がわいてくるのです
あなたの人生の始まりに私がしっかりと付き添ったように
私の人生の終わりに少しだけ付き添って欲しい
あなたが生まれてくれたことで私が受けた多くの喜びと
あなたに対する変わらぬ愛を持って笑顔で答えたい

私の子供たちへ 愛する子供たちへ


「親を大切に想う」ということ...
しっかりと心に刻んでいたい。

・・・前田隆
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by maeda_takashi | 2009-05-27 00:00 | 【前田日記】