前田日記(写真集)
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生きたいなら野球をやめろ
彼は一度もバットを振ることなく、
最後の夏を終えた。

5月初旬、練習後に全身に蕁麻疹が出た。
病院での診断は「運動誘発性アナフィラキシ-」
激しい運動をすると頭痛や呼吸困難に襲われ、
ひどい場合は死に至る病気だ。
医師に「生きたいなら野球をやめなさい」と忠告された。

その時、彼は『野球をあきらめることではなく、
この体で主将として何ができるか』と考えた。
5番・三塁手でチームを引っ張っていたが、
発症以降は三塁コーチなどサポート役に徹した。

9点を追う4回、二死一塁、代打でチャンスが訪れた。
『やっと自分に出番がきた』
春以来の打席で頭が真っ白になった。

3球目、一塁走者が盗塁に失敗した。
『茫然とした。何も考えられなかった。』
守備につくことはできないため、無念の交代となった。

試合後、号泣した彼は、
『できる形で野球は続けていく、次はバット振ってみせる』と語った。

この記事を読んで、
彼には、この経験を生かし立派な人間になってほしいと願った。


ただ一つ、疑問が残る。
盗塁死となった選手には問題はない。
あの場面で監督はスチールのサインを出したのだろうか?
それは論外である。

スチールが一塁ランナーのジャッジメントであったならば、
ノー・スチールのサインを出すべきである。
そのサインをつくっていなかったならば、
代打を送る際に一塁ランナーに指示をすれば良いことだ。

私の知らない球児達だが、
打者と走者の両者が負けたこと以上に、
辛い最後の夏になってしまったことを残念に思う。

・・・前田 隆
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by maeda_takashi | 2008-07-09 06:10 | 【前田日記】