前田日記(写真集)
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来年を見据える「2番手」 ~ 朝日新聞より
2008年夏 来年を見据える「2番手」
二松学舎大付 小野田祐樹投手


2点差まで追い上げた7回、二松学舎大付の2番手、
小野田祐樹投手(2年)は肩で何度も息をし、間をとった。
「ここは自分しか踏ん張るヤツはいないんだ」。心の中で繰り返した。

今大会は、
エースの京屋陽投手(2年)と2人で6試合を10点に抑えてきた。
なかなか調子が上がらない京屋投手の救援として、
何度もピンチを救い、2試合は1人で投げきった。

この日も4回で3点をリードされ、マウンドを引き継いだ。
「頼ってばかりでごめん」と言われ、「おう、任せとけ」と答えた。
「うちのエースは京屋。尊敬すらしている。
だから、調子が悪いときは助けるのがオレの役目」とこれまでやってきた。

4回戦の朝、「2番手」の意識が変わった。
合宿所で市原勝人監督に怒られた。
連投の疲れか食欲がわかず、
「朝はごはん3杯」のルールを守らなかった。
「おまえは今日の一つの試合しか考えていないのか。
この先も、優勝すれば甲子園も、そして来年もある選手なんだぞ」

はっとした。
自分が試合を引き受ける気持を持たなければだめだと思った。
つらくてもしっかり食べるようにし、練習も率先して取り組んだ。
だが、連投の疲れから抜け出せなかった。

7回、1点とられて3点差。なをも2死三塁。
「もう1点も渡せない」。
気を引き締めたが3球目のスライダーが甘く入った。
「ふと気持が抜けた球を投げてしまった」。
打球は風に乗って左翼スタンドに。2点本塁打を放たれ、突き放された。

「オレはまだまだだ。この借り来年、京屋と一緒に絶対に返す」。
力尽きた2番手は、試合後、そう誓った。

・・・川崎紀夫(朝日新聞)
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by maeda_takashi | 2008-07-26 05:57 | 【前田日記】